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2007-10-15

新劇場版ヱヴァがすげぇ面白かったのは、「覚悟は幸福」だから?

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おもむろに『ヱヴァ』について書いてみる。

「覚悟は幸福」って?

荒木飛呂彦漫画ジョジョの奇妙な冒険』の第六部『スト-ンオーシャン』に登場するキャラクタープッチ神父言葉です。

彼が持つ能力は「世界を一巡させる」というもので、これにより「一巡後の世界」ではすべての人間が、自分の一生を「体験」した状態で生きることになります。

どういうことかといいますと、これから先自分の身に降りかかる出来事が直感的に理解できるようになるという感じに描写されています。

例えばこんなシーンがあります。二人の男と一人の少年廊下にいて、床には書類が落ちています。男のうち一人の脳裏に「自分がその書類を踏んで転ぶ」という考えが浮かびます。そしてもう一人の男と少年も同時に「その男が転ぶ」というひらめきを得ます。その後、三人はそれぞれの行動を取りますが、結果男は転んでしまいます。誰もその男を転ばそうとして行動したわけじゃないのに、浮かんだ未来の結果が実現します。

「一巡後の世界」ではすべての人間が自分と周りの人間に起こることを知ってしまいます。そして知っていて、それを避けようと行動しても、結果的にはそれが実現してしまうという世界です。

人の出会いと別れ、世界の変わり目となる出来事、自分の一生、そういうものをすべての人間が「体験」した状態で生きる世界プッチ神父はこの世界についてこう言いました。

それこそ『幸福』であるッ!

一人ではなく全員が未来を「覚悟」できるからだッ!

「覚悟した者」は「幸福」であるッ!

悪い出来事の未来も知る事は「絶望」と思うだろうが

逆だッ!

明日「死ぬ」とわかっていても「覚悟」があるから幸福なんだ!

「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすからだッ!

人類はこれで変わるッ!

これに賛同するかは皆さんにお任せするとして、新劇場版ヱヴァ』を見たときの気持ちってこれに近いんじゃないかなあ、と思いました。

「一巡後」の『ヱヴァ

今回の『ヱヴァ』はテレビシリーズの展開と基本的には一緒でした。サキエルが来襲し、シンジ君はエヴァに乗り、綾波は包帯で、……とまあ旧シリーズとの共通点を挙げていけばきりがありません。そしてそういう部分部分だけでなくストーリーも大まかにはほぼ同じ、ヤシマ作戦ラミエルは殲滅されました。

我々は、そういう『エヴァ』を既に「体験」している、のです。

ところどころの相違点に引っかかりを感じながらも、要所要所では「知っている」通りになる。これはやはり気持ちいいのだろうと思います。

もちろん、『序』のラストで放映された予告編を見れば、旧シリーズとは違う展開になるのは予想できます。でもね、それでも『エヴァ』のラストまで「体験」してしまった我々は「覚悟」ができるんですよ、できちゃうんですよ。あのテレビ版と、劇場版の二回のラストシーンを「体験」した我々は、新『ヱヴァ』のラストがどうであろうと既に覚悟完了してるんです。楽しめない筈がないじゃありませんか。

ちくしょうなんか悔しいなあ。

それでも「一巡」からの開放に憧れる

ストーンオーシャン』では主人公側の死に物狂いの活躍により、「一巡した世界」から抜け出ることができました。人類は新たな体験を積み重ねることになります。

できればやっぱり、そういう体験がしたいなあと思います。

余談

物語の展開でよく「お約束」というのが引き合いに出されるけど、そういうのも広い意味では「一巡後の世界」における「体験」だよなあ。「死亡フラグ」なんかその積み重ねのわかりやすい例ですよね。そして、お約束を裏切ったとしても、それが新たな「体験」になってしまう。創作とはかくも厳しい道であることよ。

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